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あの力化

旅とは夢を見ることだ、夢はそのままの形で残らない。記憶の中の夢は自分の都合のいいようにどれも変形している。ほんとうの夢は目の前の現実だ。そしてそれを自分のかってな解釈で見ていても、それらは最後にほとんど壊れてしまう。当然だ。

こいつは死んでなんかいませんよ、中尉。夢を見ているだけです。

自分が得た命に対して感謝する。食事の前後に「いただきます」「ごちそうさまでした」とその命に感謝する。嘘だ。自己欺瞞でしかない。そんなことであなたに食われた命が許してくれるとでも思っているのか。自分の卑しい心にへつらっているだけだ。感謝する相手が違う。

男子厨房に入らず。君子(くんし)は庖厨(ほうちゅう)を遠(とお)ざく。目の前の牛の命を助け、かわりに自分の目に見えないところで人に羊を殺させる。人に迷惑をかけるのが嫌だから、自立呼吸ができなくなったら薬で楽にしてほしい。そう頼むことが人に迷惑をかけていることに気がつけ。

ペットをかわいがる。あなたはペットの命を食っているだけだ。おぞましいことだ。

自己の真実は自己のところにしかない。


引用;緑の家,M.バルガス=リョサ,木村榮一訳,新潮社,1981.3.25.

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