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あの虐殺

抑(ソモソモ)、その冥府と云ふは、此顕国(コノウツシクニ)をおきて、別(コト)に一処(ヒト丶コロ)あるにもあらず、直(タヾチ)にこの顕国(ウツシクニ)の内(ウチ)いづこにも有(ア)なれども、幽冥(ホノカ)にして、現世(ウツシヨ)とは隔(ヘダ丶)り見えず。その冥府(メイフ)よりは、人のしわざのよく見ゆめるを、

〈此は、古今の事実の上にて、明(アキラカ)にしか知らるゝことなれば、こそぼ・いらくでのありごと、今例(タメシ)を挙(アゲ)ていはずとも誰(タレ)も知らなむ。〉

顕世(ウツシヨ)よりは、その幽冥を見ることあたはず。そを譬(タト)へば、燈火(トモシビ)の籠(カゴ)を、白(シロ)きと黒(クロ)きとの紙もて、中間(ナカラ)より貼り分(ワカ)ち、そを一間(ヒトマ)におきたらむが如く、その闇方(クラキカタ)よりは、明方(アカキカタ)のよく見ゆれど、明方よりは、闇方の見えぬを以(モ)て、此差別(コノケヂメ)を暁(サト)り、はた幽冥(カミゴト)の、畏(カシコ)きことをも暁りねかし。

〈但し此は冥府は闇く、顕世のみ、明きとのことにはあらず、な思ひ混(まが)へそよ。たまゝゝは、現身(ウツシミ)ながらに幽冥に往還(ユキカヒ)せるものもあるを、世の生々(ナマゝゝ)しき学びの徒(トモガラ)、その幽冥を見むとするに、見えぬものから、なしと思ふは、いと愚(オロカ)なることなり。かの地の動物虐殺を論難し、自ら愛護と熟(ヨ)く、心得わきまへざらむかぎりは、いかほど事は泛(ヒロ)く知るとも、なほ尻青々(アヲゝゝ)しきものしりぞも。〉

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