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あの栗鼠

海が自分の変化を繰り返して見せることはめったにない。
擬態形成体(ミモイド)はまたたく間に成長し、観察する人間が思いもかけぬものを作りだしていく。水平線まで、はてしなく続くチューブ状の通路としかいいようのないもの。内部の装飾の色と模様はほとんどユカタン半島にあったマヤ文明のマヤ文様を思わせる幻想的なものだ。人型(ひとがた)まである。剣や長い杖を持った老人のようにもみえるが、偶然にできたものなのかもしれない。鳥のような模様もある。

島の形をした古いミモイドに降り立つ。周囲からおしよせる泡立つ波のような若い粘液。まるでこちらの思念に対応しているかのような形を一瞬形作り、触れるようで触れないまま崩れていく。誘っているようにもみえる。とても魅力的だ。昔、私が名前をつけた存在が目の前に現れる。私は家に連れて帰る。

共通の文化が2人の間にある。しかし彼女は瞬間的に消える

「どうやって?」

「君は国家に多大な迷惑をかけたのだ。しかし、もう忘れてしまえばいい」

帰国する前に、あの島に戻る。

島の中央に近いくぼみに、「抵抗せよ」と指で書かれた文字が残っている。

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