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あの美馬

昔は夜馬に乗るのが好きだったよ。

どこまでもまっすぐ続く道を馬に乗って走っていると、ときおり馬の気がそれるのがわかる。そこにはなにかあるんだろうね。寄り道してそのあたりを見回っても、いまは何もないのがわかる。

そうなんだ。無抵抗な者たちを自分たちの圧倒的な武力で服従させる。精神年齢12歳の者たちに自分たちの文化を押し付ける。断じて許せない卑劣な行為と言う人もいるだろう。政権が変わったからといって、いまさら謝罪されても仕方がないと言う人もいるだろう。過去の問題じゃなくて、現在の自分たちの問題として、逆にいま自分たちがやってる同じような卑劣な行為を反省する人もいるだろう。加害者には見えないものなんだ。

夜の砂漠で何にも縛られずに馬に乗っていれば感じることがあるんだよ。馬にはそれが見えているんだ。

うん、おやすみ。


あの永遠

きみたちは古い逮捕状を処理する機械だ。
身体的なものが他を呼び寄せる。
逮捕を請求している者たちは、身体を持たない。
他者はどこにもいない。自分の似姿(ペット)を溺愛している。
自己愛の投影でしかないそれは、観念を増殖し、閉ざされた環境で理想を語る。

「あんたは変人だよ、あんなものにかかわるからこういうことになる」警官が言った。

動物化している。完全に人間化しきれない動物性こそが人間性の根拠なのだ。主体を超えて身体の連続性のなかにある暖かい環境のなかで背中のリュックに爆弾をしこむ。永遠が明るい光の中にあふれ出す。

さあ言ってくれ、きみが誰なのかを。

わたしたちは大気の精
人間を気にかける者

引用;フィリップ・K・ディック,『聖なる侵入』,大瀧啓裕訳,サンリオ,1982.7.15.


あの或物

逆説的反抗者ということばがあるんだ。
田川建三という人の本を読んでいたら、
イエスという人は食えない人で、
「カイザルの物はカイザルに、神の物は神に納めよ」
なんてことばでも、政教分離とかそんなことじゃなくて、
自分を試す人に対する皮肉に満ちたことばなんだと書いてあった。

彼もそうだったね。
いつも皮肉屋だったよ。
だから、彼の「Love」ということばを好きだというあなたたちを見て、
いまごろ腹を抱えて笑ってると思うよ。

誰もやらない方法でいつも世界にアタックしていたと思う。
他人に何も求めないでいるかれの微笑みの中のどこかに、
「Love」はあったと思うけど、
あんましそのことにこだわっていると間違うと思う。

まあ、ぼくにはわかんないよ。
ぼくにはわかんない。


あの新聞

「話が違うではないか」と、思わず言いたくなる。
自分に都合のいい情報をつまみ食いして、さんざん人を煽っておいて結果がこれだからイヤになってしまう。

人の欲望を圧力をかけて抑圧するより、その欲望自体を変えてしまうほうがコストが低く合理的である。だからこそ、(人の潜在意識の一部を書き換える)催眠誘導-情報操作なのかもしれない。

彼は「人類滅亡の脅威」を繰り返して発表してきた。「第三次世界大戦」という言葉まで使用して。つまり、「民主主義を守るために」こちらはそのつもりだ、という決意表明である。ところが、違う国が軍をバックに民衆に対して強権的な政治を行う事を「テロとの戦い」ということで支持している。これではダブルスタンダードと言われてもしょうがないだろう。あげくの果てにこのていたらくだ。今回のCIAによって発表された情報は、以前から彼の元に届けられていたという。相手も自分たちと同じ行動をするだろうというミラー・イメージングが起き、正確な情報が入っているのに、それを採用する事が困難になってしまっていたのだろう。この経緯については納得のいく説明をしてもらいたいものだ。

一方、かの国の巧妙な情報操作、TVを中心として信頼できる治世者のイメージを大衆に与えていくやり方は着々と実績をあげている。異論を唱える記者が病気になったり、いつの間にか消えていたりすることは昔からのお約束でぞっとするが、それにより国がまとまり、力を十分に付けてきている事は間違いない。

もちろん勘違いしてもらっては困る。わたしたちは、「民主主義を守るために」彼に頑張って欲しいのだ。発表をうのみにして、振り回される方としても釈然としないと言っているのだ。

しかし、ちょっと待ってほしい。そう言ってしまうと、当方が「片棒担ぎ」といわれてもしかたがないということになる。

じつは、ずっと前から(生まれたときから)そうなんだけどね。


あの間諜

いつものドアから入っていくと、グリーンのあかりがついた。Mは鋭くボンドを見た。

「007、だいぶ参ってるようね、まあ座って」

きょうは名前で呼ばれなかった。仕事なのだ、と思ってボンドの脈がはやくなる。
Mはじっとメモパッドを見つめている。

「日常生活をことこまかに報告することで、アイデンティティがえられると思ってしまう。しかし、そういった確定記述はデータでしかないわけ。データベースの分析から彼のためのお勧め商品がでてくるけど、そんなのはとうてい自分とは思えない」

「だけど、環境管理型権力に対して匿名性でいようなんてはじめから負け戦なわけ。むしろ、どんどん身をさらしていかないとダメになるだけ。どんどん消費し続けなければダメ。だから、みんなどんどん動物になっていく。自分のうちに秘密を保っていられなくなる」

ペンタゴンの軍事上の防衛極秘情報が漏れていた。米国製兵器の台湾への売却に関する機密情報、スペースシャトルや軍用機、ロケットに関する機密情報。逮捕された者は、スペースシャトル関連技術について講義を行っていた。

「米国防総省職員と中国人3人が逮捕されたけど、まだまだ広がっていくはず。今は、わざわざスパイする必要がない。黙っていてもむこうから漏れてくる。だれも匿名でいられない時代なんだから。あなたは以前からそうだったね」


あの健康

「何用あって月世界へ」。ひとことでいいのである。わかる人にはそれでわかるわけだし、わからない人には何百言費やしても意が通じない。最近ではさしずめ、「尊厳死に尊厳はあるか」だろう。彼らに「尊厳」を与えられたものは、ずっと黙ったままだ。

以前、家のなかにも他人がいたほうがいいのではないか、と言った。他人がいれば、ひと悶着あって当然のところが、今はその気配がない。自分の感情のままの言動がすっと通ってしまう。通ってしまうどころか、やんややんやの喝采である。他人など、どこかに消えてしまったのだろう。

利害を同じくする同業者の集まりの中でも昔は知恵者がいて、世間を慮った。
自分たちの利益を追求するほどのことでも、表向きは「患者のため、国民のため」と言い張った。
いまは、へたに受け入れれば利益どころか大損である。「無理を言ってもらっては困る」「ホテルで部屋がなくて宿泊拒否をするようなものだ」と大きな顔をして言えるようになった。以前のような偽善はなくなった。むしろ一点の影もない健康な言い草である。

健康でいることはすでに国民の義務になった。もうすぐ違反したもののために、罰則もできるのだろう。

すなわち健康というものはイヤなものなのである。


あの法案

A;くさい!!
B;え~、このごろ毎日、髪あらってるのに。
A;柔軟な現実主義を、変なイデオロギーを信じている頑迷な人たちが煽ってる。
B;でも、50年ぶりですからねぇ。議論もすれ違ったままだったし。
A;日本の補給艦と護衛艦がインド洋に、シーレーン上に存在しているということが重要なんだ。
B;そうそう、国際社会の中に自分がいる場所をつくっておかなきゃダメですね。先輩の引きこもりをなおしてあげたのも、わたしですからね。
A;あれや飛行機や喫煙者がニガテなのは、密室恐怖といっていい。抽象化された第三者の審級を意識してしまって、自分の内部に世間から孤立した部分を作り、コミュニケーション恐怖が起きてしまった。世界への欲望が大きいぶんだけ、逆(方向)にそういうものも大きくなる。そういうのがこわい。軽くつきあっとけばいいんだ。これは確かにおまえのおかげだ。
B;先輩は先輩のままでいいんですよ~
A;おまえの変態の森には入らない。
B;変態・・わたしはさなぎから蝶になる・・・
A;誰がうまいこと言えと・・・
B;ぎゃぼ~


あの殉死

ぼくは正直言って、直接にこんなことを若年のぼくが言うのは失礼だと思って、言ったことはありませんでした。

常々Oさんの書かれる小説のラディカルな動きにいつも圧倒されてきました。
新しい小説を書かれるときの文体の変化、冒険?というより、もっと切実なものがそのなかにあるような気がするんです。

日本に常住しているぼくなんかは、なにかにつけ意識してしまうんですが、ずっと「外人」、外の人なんですね。たとえ名前を変えても。たぶん溶け込んでしまうことはできない。新しいアイデンティティは得られない。自分の国に帰れ、とか言われるのではないか。いつも、追い詰められている気分になる。

そうなんです。こんどの小説を読んで、その文体について一番に感じたことはそれなんです。「この作家は追い詰められている」。外人になった気分じゃないですか?

デビューされたとき、横光利一と似ているという感想が誰かからありましたけど、ちょうどそういうことになっているんではないかと。

「戦後民主主義」が追い詰められている、「ないよりましだ」じゃないですけど、賛成106票、反対133票なんてそれこそおかしくね?ですよ。政界再編なんかがあったら、賛成200票、反対40票でもぎりぎりだと思うでしょ?ほとんど壊滅状態です。そのことと今度の小説はみごとに重なっていて、しゅんとしちゃったんですけどね。

地球温暖化防止のために、ガソリン税を現在の倍に設定するべきだとか言って、ゴミの分別をやかましく注意する老人たちの冒険みたいなのを書いてほしいなぁ。京都議定書=憲法ですね。

そんなに笑わないでくださいよ。つぼに入っちゃったのかな?


あの救急

・学級討議を始めます。
環境委員の海羊くん。

・今回、ぼくが悪かったと思います。クラスの一部の男子が、まだあんな野蛮な行為をしているので、それを目の当たりにしたら、黙っていられなくなってつい暴力をふるってしまいました。ごめんなさい。でも、以前からぼくが注意していたとおり、汚してはいけないものがあるんだから、いくら自分が楽しいからといってあんな行為を続けるのはよくないと思います。クラスの多数決でやめようと決まったのだから、守ってほしいと思います。

・えーと、犬塚くんは家庭の事情でしかたないということで学校から特別の許可がでてたんでしたね。それときみたち2人が抗議の意味でつきとばした鈴木くんも、ちゃんと学校が認めた範囲でやっていたんですから、ちょっとやりすぎだと思うんですけど、担任の豪先生、どうですか?

・学校は学校の方針があっていいと思うけれど、海羊くんの弱者に対する思いやりも考えてやってほしい。いてもたってもいられなくて、あんな行動をしたんだと思うので今回のことは大目に見てもいいんじゃないのかなぁ。

・でも、もっと話し合いがあってもいいと思うんですけど、なぜ相手を汚らわしいものみたいに見て、物理的な行動で排除してしまうんですか?野蛮な行為だったら、もっとひどいことがいくらもあると思うんですけど、そちらは無視して見ないようにしているとしか思えないんですけど。無差別爆撃とか自動車の排ガスとか、決定的な悪は見ないようにしているんじゃないんだろうか?

・それは、とても難しいことだから、みんなが社会にでてから考えてほしい。

・じゃ、次の議題です。いじめゼロ集会の報告です。今回のスローガンは

「たらいまわしって言うな」

です。人の嫌がる言葉は使わないようにしましょうね。


あの緑豆

問1 傍線部A「その行為は私たちの社会に重大な影響を及ぼす」とあるが、それはどのような変化を私たちの社会にもたらすのだろうか。具体的な説明として最も適当なものを次の1~5のうちから一つ選べ。

1.「もったいない」から「捨てずにリサイクル」という消費者の行動は、結果として商品の消費量を増大させ、国の経済が発展する。リサイクル自体の消費エネルギーも大きく、地球温暖化をますます進行させることになっている。

2.自分の職場で得られた情報により行った取引による利益は、その職場での生涯賃金の額に比例する。職場での経験が豊富になり使える技術が増えるに従い、職場外とのネットワークが構築される。その行為が違法である場合、発覚する者の数は就業年数と反比例する。

3.「生まれる子供がかわいそうだから断種する」という活動により、雑種が減少しブランドとしての商品価値があがるが、種としての多様性が失われる。自分が支配できる人工的で清潔な環境を望むものが多くなった。

4.「偽」というプラカードを自分の船でかかげることにより、自分たちの活動が「ニセモノ」であることを印象づけた。自己愛の投影としての野生生物への同情がテロリズムの方向に進まない場合、「自己否定」という結果に終わるようだ。

5.健康を義務づける国家に対し反健康を標榜する喫煙者たちを「汚れた者」として差別することにより排除し、民族の純血性にこだわり、優生学的に優秀な者たちのみによる共同社会の完成が近づいた。


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