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あの動露

悪夢だった。
巨大化した虫なのか、自分の身体が縮んだせいなのか、私たちの進む道の上には不思議な生物がうようよしていた。
こちらに気づかないのは、彼らの本能の外にいるからのように思えた。
彼らが感知するように動くものは捕獲されるのだろう。
見覚えのある人たちが私たちのそばをぞろぞろと通り過ぎていくが、声をかけても反応はなかった。すでに死んだ人たちの行列だった。虫たちは彼らを襲っていた。死人たちは反抗せずに、ところどころ虫たちによって欠けた空間のある列のまま粛々と進んでいた。

OKだよ、パパ。
OK?
用意はできてるんだ。なぜ進まないの?
そうだな、OKだ。彼らは道から出て行かないようだな。
私たちには火があった。

悪夢にしても、自分の夢だ。
夢の中では因果律は逆転する。
自分が責任を持てる結果が出発点だ。
それさえ頭にいつもあれば行動の仕方も決まってくる。



引用;The Road, Cormac McCarthy, Picador,2006
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