So-net無料ブログ作成
検索選択

あの金色

---結局、わたしがどんな間違いをしたというのだろう?いつものようにちょっとした毒舌をはいて、日ごろのうっぷんを晴らしただけなのに。

---そういうことじゃないですよ。
知ってますよ。貧しい生活の中、きりつめてきりつめて、でも愛情をいっぱいそそいで、ひとりで自分をここまで育ててくれた年老いたお母さんがいま病気で苦しんでいる。そのお母さんのために犯罪を犯した。ぼくは犯罪は犯罪として非難しているけど、酌量の余地はあるでしょう。ぼくも人情を知らないわけじゃない。だけど、そういうことなんですよ。ぼくたちがずっとやってきていることは。

体をはって書いているんですよ。ほとんど犯罪や犯罪に近いことをやってしまっている。やらなきゃ生きていけなかった。それを、あなたたちは他人事のように、「こんどのできはひどかったねぇ」とか、「あの初期の匂いたつような抒情性はどこへ行ったんだ」とかへらへら笑いながらくっちゃべってる。そうでなけりゃ、自分勝手なものさしにあてはめたり、人から借りてきたけど持ち主がやわだから、てんで役に立ってないなまくらな刀で切り分けようとする。

それにもっとはやく気づいてくれたらよかったのに。悲劇の主役みたいに、自分の目でものが聞こえるように騙したり、自分の痛む足を呪ったりするんじゃなくて、自分の境遇を直視していたら、ぼくに見せてくれたあんな絵空事の小説じゃなくて、ほんとの自分の作品を書けていただろうに。

え!?バオウ・ザケルガ?

引用;『サチュリコン』,ペトロニウス
Translated by ALFRED R. ALLINSON(1930)
http://www.igibud.com/petron/satyr/satyr15.html#244

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。