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あの船影

自分の叫び声で目が覚めた。
凄まじい咆哮が海上をゆるがしている。海は毎日人を飲み込む。
顔の真ん中に目がひとつしかない妖怪。何千本もの触手をぼくの体にのばしてくる。冷静な生き物はどこまでも追いかけてくる。

いつも強者の側につき、弱者を裏切る典型的な機構に身をまかせるものもいた。
彼らが生きていくためには、しかたないことなのだろう。
彼らと別れ、ぼくは小さな船に乗り出国した。戦いと希望のメッセージを携えて。

バティスタと戦いバティスタになりかわったあの男は、従順な者たちを支配下においた。反抗は死だった。いま死に近づいたあの男は、ぼくたちから逃げ切ることができるのだろうか。

夜空を、かすかな光をひいて星が落ちていく。

巨大な軟体動物の影が闇の中から突如現れ、小さな生き物たちをけちらかす。

ぼくのメッセージは敗北のメッセージであってはならない。


引用;『ハバナへの旅』,レイナルド・アレナス,現代企画室,2001.3.5


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